点火とは、火花が放電されることにより、火種(火炎核)が火花ギャップ間に発生し、その火炎核が周囲の混合気に広がり燃焼に至る現象です。 放電により発生した火炎核は、次第に成長し火花ギャップを構成する中心及び接地電極に接触するようになりますが、電極の温度は火炎核より低く、かつ質量も大きいので図に示すように電極はこの火炎を消す作用をします。これを電極の消炎作用と呼んでいます。このことから、火花の点火性を向上するには電極の消炎作用を低減する必要があり、一般的に次の手段が採用されています。 (1)火花ギャップの拡大 (2)中心電極の細径化 (3)電極部に溝などを設けて火炎核との接触面積を少なくする つまり、火花ギャップが大きくなるほど、電極が細いほど点火性が向上する(薄い混合気まで点火できる)といえます。 また、点火性に影響を及ぼす点火装置の放電特性としては、一般的に次があげられます。 (1)火花エネルギーが大きいほど点火性の向上に寄与する。 (2)容量成分より誘導成分のほうが点火性の向上に寄与する。 これは、誘導成分のほうが放電期間が長く、混合気との接触機会が多くなるためと考えられます。
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